内科医である舅が、勤務先の病院に、切々と訴えている手紙。
昨日の続き。
まだまだ先は長い。
力入れて、書き(打ち)写しまっす。
---------------- (ここからお義父さんの日記) ----------------
・「何言ってんだ」という反論の影の声が聞こえてくるような気もします。
・病院経営上、利潤を上げるための努力は、最大限にしなければなりません。しかし、薬剤選択の良否は、診察内容の低下に、直接関係しています。良質の薬剤が使用できないために、同じ処方内容であっても、治療効果に差異が生じた場合の責任は、誰がとるのか、それは、現実にあり得ることです。その保証は、全くありません。それでも、あえて、病院収入の経済効果のために、目をつぶるとしても、それなりの大義名分がなければなりません。
・考えれば、考えるほどに、腹が立つばかりで、眠れません。
・今度の常務の提案(年間、3000万円位浮かしたい)に、一言の反対もせずに、私が安易に了解したことがいけなかったのかとも考えます。
・今回、経済的観点からだけ、その利潤追求の観点からだけ、薬剤の取捨選択をすることに、割り切った覚悟をしました。しかし、診療の質の向上の観点からは、薬剤の個々の治療効果に関する厳密な医学的評価が、本来は必須なのであります。それをも、あえて放棄したからには、その選択結果が、そうした医師の評価を上回るだけの説得力を要することは、必然でしょう。
・いかに、ドンブリ勘定をしたところで、(年間これだけの利潤が上がるのだから)といわれても、それは、医師が、採用医薬品を納得の上で、使用するという前提が必要です。そのことを全く考慮していないのは、大変に遺憾であります。
・これまでも、薬事委員会では、医薬品の購入にかんしては、英知を傾けて、慎重に論議して参りました。しかし、その利潤追求に関して、成績不振があったのかも知れませんが、我々の診療レベルを高い水準に維持することと、経済効果を懸案しての検討をしてきましたから、卓上での計算通りに、収益が上がらないのは、当然かも知れません。
・ひつこく申し述べますが、医師が使いたいと考えている薬剤が使えないという診療現場は、最悪の医療環境であることは、論を待たないところです。ですから、既存の薬剤を変更するに当たっての、最小限の了解事項は、使う立場の医師の意見を最終的には、勘案して、変更決定をすべきではないでしょうか。医師代表として、理事長がOKすれば、全医師がOKしたことになるという決定方式(方法論)は、論外です。理事長判断で、こうしたいという(案)は、とにかく、医局に了解を得る最低限度の手順を踏んでいただきたいのです。そのルールの確立のないままに、今回のように、すでに、外部のMRが、病院の決定事項として、院長に、「かくかくしかじか」と話されたことのショックは拭いようもありません。
・先走りもいい加減にして欲しいと思います。
・これでは、ただでさえ、意見彷彿の医局の先生方を統率することなど、とうてい不可能です。「院長は何をしておる」といった批判、「院長不信」の声が、耳元で聞こえます。
・今、午前2時25分です。段々に眠れません。疲れが両肩に重くのしかかります。
外来診療をどうする。一般的に、早くても、1時、遅ければ、2時、昼飯を食べる時間は、普通、1〜2時。昼休みもなしで、病棟の回診をする。3時を過ぎれば、検査のオーダー・ストップだという。「何で今頃、検査指示を出すのか」。そのぶつぶついう看護婦に、気を使いながら、診療をする。婦長は、そうした状況に対して、何もいわない。
・本当に疲れます。
・これは、人手(内科医)が足りないという問題ではないのだと、私は思います。
・院長が、この病院の存亡の危機に、体力の限りを尽くして、奮闘していることへの認識が全く欠如しているからだと、勘繰りたくなります。グチなのでしょう。
・とにかく、MRさんの発言には、疲労を倍加しました。
・どうして、こんなことになるの。院長が知らないことを、外部のMRが知っているの。
・どこかが、おかしい、と考えざるを得ません。
・トータル、経済効率の駆け引きとか、院長としても、「知らぬ存ぜぬ」というところがあったとしても、それは、私の関わりのないことでしょう。しかし、こと、「薬剤」に関しては、院長としてというよりも、医師として、最も大事な事柄であるだけに、病院としての薬剤納入に関する決定事項が、外部のMRに公表されていることは、許し難き事実であります。本当に、驚きました。
・どうして、少なくとも、私に相談の後に、外部に公表して貰えなかったのでしょうか。
・私の院長としての存在は、どうして無視されたのでしょうか。
・こんなにも、重大な決定事項が、若者のMRに得意気に、勝利宣言のように、いとも簡単に(というのは、廊下での立ち話しとして)、「宜しく」などと、挨拶をされなければならないのでしょうか。商社の善し悪しではなく、ルール違反だと思います。「馬鹿にされた」という印象しかありません。恐らく、こんな態度のMRが、「宜しく」といわれても、そうした薬剤は、今回の決定が妥当だとしても、使用する気にはならないでしょう。
・医師が、薬効上に疑義と反感を抱けば、その薬剤は、処方されないでしょう。
・今、午前3時05分です。一旦床につきましたが、頭が冴える一方で眠れません。
・今まで、治療に使用していて、患者さんにも、その治療効果の点で好評があり、長期の使用について、これほど有効な薬剤はないのではないかと、内科医師の大多数が考えていた薬剤が、今回、「得体の知れない薬剤」(我々の使用経験がない薬剤)に、切替えられた。かなりの多数の患者さんに使用している。そうした薬剤の変更については、慎重の上にも、慎重な検討の上で、経済効果を計算して、その変更理由を、医師に納得させる努力が必要ではないのか。
・これからその長年信頼していた薬剤が使えなくなる。それは、一体どういう意味があるのか。使っていた薬剤が使えなくなるには、副作用の問題とか、効果が認められないとかの、それなりの理由が理解できなければならない。
・いかに薬剤効果があっても、利潤追求の点で、損失になるというのであれば、論外である。しかし、変更の収益と、その現場での診療効果とは、その天秤の上で評価すべきものではないのでしょうか。
・最終結果を実施に踏み切る前に、なぜ、実際に使用している現場の医師の意見を聴いて頂けなかったのでしょうか。
・そのことを考えると、眠れません。医師不在の病院であっては、診療行為は成り立ちません。
・横暴な医師の存在を否定はしません。しかし、良識のもとで、良心的なレベルの高い診療をしたいと、多くの医師は、懸命の努力をしていると、私は信じております。「医師に文句はいわせない」とでも考えて、医師の存在を無視したとは思いたくありません。しかし、結果は、「問答無用」です。理事長からの実施命令ですから。
・理事長の命令に背きたくはありません。しかし、その点を考えると、眠れません。
・どうして、こんなに、簡単に片付けられてしまったのでしょうか。
・全く理解ができません。
・使いたい薬剤が使えないというジレンマは、医師にとって、致命的です。それでも、病院経営の経済効率の点で、妥協して、次善の薬剤を使用して、うつうつと、患者の治療効果を心配している医師の心理を如何にお考えでしょうか。それが、もし、患者の生命に関わることにでもなれば、後悔先に立たずという結果にさえもなる可能性もあります。そうしたリスクをも、診療医師が覚悟の上で、使用薬剤の制約を、「やむを得ない」こととして、我慢しているのが現状です。そのことを、どのように、理解されていますか。
---------------- (ここまでお義父さんの日記) ----------------
はひー。
長かったー。
私も、なんのことやら。
さっぱり理解できません。
とりあえず。
若いMRが、嫌いなんだね。
それは、とっても、伝わってきた。
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